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貧血が悪化するとどうなるの?

伊藤史子

サイト監修:あやこいとうクリニック 伊藤史子先生

酸素を運搬する赤血球の数や質が低下し、体が酸欠や栄養不足の状態となるのが貧血です。

貧血は、静かに、ゆっくりと進行する病気が原因で起こっている可能性もあります。貧血の症状が出る方は、早めの診療を心がけるようにしてください。

貧血が悪化する=鉄分不足が慢性化する

貧血の症状が頻繁に起こる、酷い症状が現れるのは、つまり鉄分不足が慢性化していということ。

鉄分は白血球の生産や神経伝達物質の正常な働きに関わる重要なもの。慢性的に不足すれば、免疫力や粘膜機能の低下を招き、あらゆる病気や疾患の原因となります。

また、鉄分は細胞の生産にも大きくかかわっているため、女性の子宮の活動にも影響を与えます。つまり不妊症になりやすくなるのです。

貧血は重大疾患の予兆の可能性も

貧血はあくまで症状であり、それ自体が悪化するというわけではありません。言い換えれば、貧血という症状が悪化したのは、その原因となる病気・疾患が悪化したからです。

ここでは、外傷や手術、出産など、原因が明白な失血の場合を除いた、貧血の陰に潜む重大な疾患について説明していきましょう。

低栄養

貧血の原因で最も多いのが、赤血球の材料不足によるものです。

良い赤血球を作るためには、たんぱく質、鉄は元より、赤血球の成熟に必要不可欠なビタミンB6、12、葉酸や、丈夫な細胞膜の構成に不可欠な脂質、ビタミンC、ビタミンEなどの栄養素が必要です。

過度のダイエットや偏食、高齢者の胃酸分泌低下、胃切除後の方は、これらの栄養素の不足が生じやすく、知らないうちに貧血が進行してしまいます。

ビタミンB6は自律神経の変換に関わるため、欠乏状態が続けば、精神状態や睡眠にも影響します。

慢性的な出血(胃潰瘍や十二指腸潰瘍、痔など)

日々、少量ずつの出血だとしても、365日続けば重度の貧血となります。出血源が胃潰瘍の場合は勿論、鼻血や切れ痔の場合もあなどれません。

出血は貧血が悪化するだけでなく、白血球や血小板などの、血球成分全体の生産能力にまで影響します。

子宮内膜症や、子宮筋腫が原因となって毎月生じる月経出血や、生理不順、不正出血なども貧血を招く常習犯メンバー疾患です。これら婦人科系の原因疾患が悪化することで、貧血だけでなく、不妊まで生じてしまいます。

腫瘍の発生(ガンを含む)

胃癌、直腸癌、大腸癌、膀胱癌など、増殖力の激しいあらゆる癌は壊死を生じ、慢性的な出血源となり得ます。

また癌=悪性腫瘍でなくとも、腫瘍と名がつけば良性でも増殖し続けるわけです。

造血工場である骨髄や、古くなって傷ついた血球成分を破壊する役割を担う脾臓、赤血球の生産を刺激するホルモンである、エリスロポエチンの分泌に関わる腎臓に腫瘍ができれば、血球の生産量の低下、血球破壊の増加につながります。

赤血球の異常

赤血球自体に異常が生じる場合もあります。黒人の10%に現れるという、遺伝的な疾患である鎌形赤血球症や、地中海貧血と呼ばれるサラセミアは、有名な先天的貧血です。

これ以外にも、正常では丸い形態を呈する赤血球が楕円形となってしまう遺伝性貧血や、赤血球の膜上に存在する、ビタミンCに対するレセプター異常とされている、G6PD欠乏症などの、遺伝による溶血が原因となって生じる貧血も1人/1万人位の頻度で存在します。

突発的に発症するタイプでは、自分の赤血球にアレルギー反応が生じてしまう、自己免疫疾患で発作性夜間ヘモグロビン尿症というものも、貧血の原因となります。

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