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妊娠・育乳中に貧血になるのはなぜ?

伊藤史子

サイト監修:あやこいとうクリニック 伊藤史子先生

妊娠初期、中期、後期、育乳中の貧血について、それぞれの時期に、どのような対処や注意をすべきか説明します。

【このページのポイント】

  • 妊娠初期~中期に注意すべきは鉄欠乏性貧血
  • 後期の希釈性貧血は生理的反応

妊娠の初期~中期に起こる貧血

妊娠は、体内のもう一人分の血流と酸素を妊婦が賄う状態です。特に妊娠初期は、胎児が自分で赤血球を生産できないため、母体が生産する赤血球量と血漿成分を増加させ、与えることとなります。

ですが妊娠初期には、自己の中にいる非自己への免疫的な拒絶反応、つまり『つわり』が生じます。つわりの状態では鉄欠乏性貧血がおこりやすくなり、血球成分が薄まるため、更に貧血が悪化してしまいがちなのです。

この時期は、細胞がどんどん増加する時期なので、赤血球の生産と細胞の核分裂に必要なビタミンB12や葉酸が欠かせません。

つわりで鉄不足が生じる場合、鉄剤が処方される事も多いのですが、胃に負担となるので、ヘム鉄を利用するのも有効です。

妊娠後期に起こる貧血

妊娠後期に入る頃にはつわりも改善し、食事により鉄分やたんぱく質などの必要な成分を補いやすくなります。ただし、血漿量は妊娠前の1.5倍ほどにまで増加し、それだけ血球成分も希釈されるため、場合によっては貧血が進行した状態となります。

とはいえ、出産に向けて臍帯の閉塞の予防的な側面から、血液のある程度の希釈は生理的に正常な反応。ですが、ヘモグロビンが11g/dl、ヘマトクリットが33%を下回ると妊婦貧血と診断されます。出産は体力だけでなく、血液も失う大仕事です。出産~産後の速やかな回復のためにも、対策が必要となります。

授乳期に起こる貧血

出産時の貧血からの回復が悪い場合、産後の回復や血液を元とする母乳の分泌に大きく影響します。

特に授乳期初期の母乳は、乳児の免疫力に関わるため、母体の貧血=血液が栄養不足である状態は、乳児の免疫や脳機能の発達にまで悪影響を与えかねません。

ヘモグロビンを構成する機能鉄=フェリチンは、増加するのに時間を要するため、早めの準備が望まれますが、貧血がひどい場合には、点滴で鉄剤を投与する事もあります。

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