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鉄分の働きを知ろう

伊藤史子

サイト監修:あやこいとうクリニック 伊藤史子先生

鉄分とは、人体にとって欠かせない元素のひとつで、生物学的にも重要な役割を果たしています。その正体は、人類にとって最も身近な金属である鉄と同じ原子です。

鉄分とは一体何なのか? その働きや、不足することによって危惧される症状について紹介しています。

貧血予防に必要な鉄分とは?

鉄(元素記号:Fe)は、紀元前18世紀ごろに初めて使われて以来、「産業革命の米」と呼ばれるほど、人類の歴史において大きな繁栄をもたらしてきました。

何の原子とも結合していない純粋な鉄分子は、水分によって酸素と結びつき、イオンになりやすい元素です。

赤血球の中に含まれるヘモグロビンは、その鉄イオンを使って酸素を体中へ運んでいます。ヘモグロビン1つに対し、4つの鉄イオンが存在しており、それぞれがポルフィリンという有機化合物と結びついた形で存在しています。このポルフィリンと鉄が結びついた分子をヘムと呼び、体内にある、あらゆるタンパク質に含まれています。

ヘモグロビンと酸素分子はお互いをつなぎとめる力が弱く、筋肉などの酸素を利用して運動する組織に到着すると、結びついていた酸素を放出することができます。そのため、ヘモグロビンと結びついた酸素を体中に運ぶことができるのです。

鉄分が果たす役割

鉄分の代表的な役割は血液中の酸素の運搬ですが、その他にも多くの役割があります。

活性酸素に対する役割

体内には活性酸素と呼ばれるものがあります。

適量であれば古い細胞を破壊し、新しい細胞へと生まれ変わらせるサポートをしてくれる免疫機能。ですが、必要以上に増えてしまうと正常な細胞を傷つけたり、老化を促進させたりと悪影響を及ぼしてしまいます。

鉄分を含んだ酵素、カタラーゼやスパーオキシドジスムターゼは、余分に増えてしまった活性酸素を分解する働きがあります。

免疫機能に対する役割

体の免疫機能の役割として、もっとも重要なのは白血球です。白血球は体内に侵入した細菌を食べて殺す作用があります。

その白血球の一種である好中球という物質は、体内の鉄分が不足すると殺菌能力が低下することがわかっています。

そのため、免疫機能の維持に鉄分は重要な役割を果たしているのです。

ATP(アデノシン三リン酸)に対する役割

生物のエネルギーの元であるATP(アデノシン三リン酸)は、鉄を含む酵素であるチトクロムなどが、酸化還元反応を起こすことで、細胞内にあるミトコンドリアを生成します。

ミトコンドリアを生成するということは、人間の生命に直結しているということです。

鉄分不足によって引き起こされる症状とは?

鉄分が不足すると、鉄欠乏性貧血が起こります。

血液中の鉄分が不足すると、赤血球中にあるヘモグロビンの合成がうまくいかなくなります。そうすると、当然赤血球中のヘモグロビンが減り、赤血球そのものが小さくなってしまいます。

ヘモグロビンは、体内へ酸素を供給する役割を果たしているので、結果的に体内の酸素供給量が減り、「だるい」「疲れやすい」といった症状が起こるようになります。人によっては、軽い運動をした後に頭が重く感じられたり、胸の痛みをおぼえることもあります。

こうした症状は少しずつ進行するため、「歳のせい」と思われがちです。体のだるさや、階段を上った時に動悸や息が激しくなったら、一度貧血の検査を受けてみたほうが良いでしょう。

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