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病気による貧血

伊藤史子

サイト監修:あやこいとうクリニック 伊藤史子先生

胃・十二指腸潰瘍、胃がん、大腸ポリープなど、主に慢性的な少量出血による貧血が起こる病気を紹介します。

さらに上記の病気とはまた違った症状を見せる、腫瘍が原因となる再生不良性貧血について詳しく触れます。

貧血を生じる病気とは

一般的に多いのは、慢性的な少量出血の結果、鉄欠乏性貧血に陥る病気です。出血源が胃潰瘍の場合は勿論、鼻血や切れ痔の場合もあなどれません。

他にも胃癌、直腸癌、大腸癌、膀胱癌といった、増殖力の激しい癌は、細胞の壊死を引き起こし、慢性的な出血源となり得ます。

最近では、ピロリ菌の感染が原因となった胃潰瘍や大腸などの消化管潰瘍が原因となり、継続する出血が起こるケースも多くなっています。また、胃切除後の方は、ビタミンB12、葉酸の栄養素の不足が生じやすく、知らないうちに貧血が進行してしまいがちです。

女性特有の子宮内膜症や子宮筋腫が原因となって、毎月生じる月経過多出血や、生理不順、不正出血なども貧血を招く常習犯です。

再生不良性貧血について

癌と呼ばれる悪性腫瘍の類でなくとも、腫瘍と名がつけば、良性でも増殖し続けます。

造血工場である骨髄や、古くなったり傷ついた血球成分を破壊する役割を担う脾臓、赤血球の生産を刺激するホルモンの分泌に関わる腎臓に腫瘍ができれば、血球の生産量の低下、血球破壊の増加につながります。

これは貧血が悪化するだけでなく、白血球や血小板などの、血球成分全体の生産能力にまで影響してしまうのです。

このタイプの貧血は、再生不良性貧血といわれ、10~20歳代、70~80歳代の二峰性で発症のピークがあります。

前述の原因だけでなく、自分自身のリンパ球が何かの誘因で、骨髄内の造血幹細胞に傷害を加える様に変化してしまう、自己免疫型の再生不良性貧血もあります。

中には、造血幹細胞自体に異常が生じるものも含まれますが、骨髄内は脂肪と化し、酸素を運ぶ赤血球だけでなく、白血球の一種である好中球、止血機能の要となる血小板の基盤となる、造血細胞自体が傷害されることで、この三つの血球細胞が作られなくなり、重篤化すると汎血球減少症が生じます。

こうなると、貧血だけではすむはずもなく、易感染に出血傾向が加わり致命的となります。

治療としては、自然寛解例も多い為、汎血球減少傾向がなければ観察のみとなる場合もあるようですが、通常は早期であれば自己免疫疾患としての側面を持つことから免疫抑制剤の投与が行われ、この治療により70%以上の確率で輸血が不要なレベルに寛解が可能と考えられています。

好中球や血小板の低下が認められるようになると、蛋白同化ステロイド療法が加わります。

さらに病状が進み、患者が40歳未満でHLAが一致する兄弟などの同胞が存在する場合には、骨髄移植が選択されます。残念ながら、40歳以上の患者への骨髄移植は、移植後の生存率の低さから免疫抑制と輸血が選択されることになっています。

赤血球自体に異常が生じる貧血

赤血球自体に異常が生じる場合もあります。黒人の10%に現れるという、遺伝的な疾患である鎌形赤血球症や、地中海貧血と呼ばれるサラセミアは、有名な先天的貧血です。

これ以外にも、正常では丸い形態を呈する赤血球が楕円形となってしまう遺伝性貧血や、赤血球の膜上に存在するビタミンCに対するレセプター異常とされているG6PD欠乏症などの遺伝による溶血が原因となって生じる貧血も1人/1万人位の頻度で存在します。

突発的に発症するタイプでは、自分の赤血球にアレルギー反応が生じてしまう、自己免疫疾患で発作性夜間ヘモグロビン尿症というものも貧血の原因となります。

ゆっくりと貧血が進行した場合、自覚しにくいことも多いのですが、一般的な症状としては頭痛やめまいなどの酸欠症状や、冷えや血色不良などの血流低下症状に加え、しびれや痛みなどの虚血による症状を訴えることが多いです。

他には、爪の菲薄化や脆弱化、毛髪の軟毛化、眼瞼結膜の白色化などが自覚しやすいでしょう。氷食症や嚥下障害、うつを呈する場合もあります。

治療としては、まず貧血の原因となっている潰瘍や癌などの疾患があれば、その治療が先決となります。その後に、通常の貧血である鉄欠乏性貧血の治療と同じく、鉄剤の内服やサプリメント、注射が用いられます。

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